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連載コラム

2016/08/04

心のつえ

新聞がきっかけで、奇跡的な体験をしました。6月に中日新聞さんで掲載された『親がくれた“心のつえ”』という私の記事を読んだ大堀さんという方から、手紙が届きました。大堀さんは十数年前につえを突いてお花見に出かけた時、近くにいた女性から荷物を持ちますと申し出られたそうです。その女性は「私の息子も足が悪いのです。その息子が“あの人、足が痛いみたいだから、荷物を持ってあげたら”と言うものですから」と説明しました。

 大堀さんはその経験が忘れられず、過去に『桜と少年』というエッセイを中日新聞に投稿されていました。実は、その少年が私だったようで、6月の記事を読み「あの時の少年だ!」と筆を取って下さったとのこと。私はこのことを出張先のNYで知り、都会の喧騒を忘れるような穏やかな気持ちになりました。「息子も足が不自由なので」と相手に気を遣わせないために母が選んだ言葉は、さりげないユニバーサルマナーだと気づかされました。 

幼少期の自分が、周囲の誰かを思いやっていたことを誇らしく感じ、そう育ててくれた両親のことをありがたく思います。私が“心のつえ”をもらってきたように、「これからは誰かの“心のつえ”であり続けたい」と、思いを強くしました。