連載コラム

2019/02/08

垣内俊哉「106cmの視点から」

選んだ道の先にバリアがあっても

 自分で選ぶということが、挑戦への原動力になっていると感じます。小学校に上がる時、私は、教育委員会から特別支援学校へ通うことを勧められました。骨が折れやすい私が休み時間に友達と遊べば、怪我が絶えないからです。それでも私は、幼稚園からの友達と同じ小学校へ通うことを望みました。母が何度も教育委員会へ出向き、なんとか入学が認められました。走って転んでは骨折、友達とふざけあっては骨折。痛い思いをしても、皆と自由に遊べることが本当に嬉しかったです。

 大学進学の際も、自分で行きたいと思った大学を選び、受験しました。結局、校内が車いすでは生活しづらく、入学直前で別の大学を受験し直しました。誰かに強いられた道なら、大学の環境を、広く言えば社会を悲観的に恨んだかもしれません。でも、自分の責任のもと、考え選んだ道だからこそ、現状を飲み込み「どんな学校なら通えるだろう」「どうすれば解消されるだろう」と向き合うことができました。自分で選んだ道の先にバリアがあったから、私は、起業という挑戦ができました。誰もが歩むべき道を、身を置く場所を、共に過ごす人を、自分で選べる状況が、未来を変えると信じています。


●PROFILE● 垣内 俊哉
1989年生まれ。岐阜県中津川市出身。2012年立命館大学経営学部卒業。在学中2010年に株式会社ミライロ設立。

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