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インタビュー

堀川 歩氏
私の一歩が、誰かの一歩につながるように。堀川 歩氏株式会社ミライロ 講師・ディレクター / 一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会 講師

空の色と同じように性もグラデーション

 性の違和感は幼少期からあった。はっきりと自覚したのは小5のとき。「周りの女の子が好きな異性の話で盛り上がる中、自分が好きになるのは女の子。誰にも言えないと思った」。

 高校では制服のスカートを履かず毎日スエット、髪は金髪、周りから敬遠された。2年のとき、ためらいながら扉を叩いた応援団で出会った女性副団長。その人のことがもっと知りたくて聞いてみた、「好きな色は何色ですか」。答えは“空色”。「青色ってこと?」と聞き返すと、彼女はこう言った。“空って真っ青なときもあれば、真っ赤なときもある。そんな風に移り変わる色が好きなんだ”。肩の力が抜けた。「私は男性として生きていきたいと思うあまり“男性とはこうだ”という固定観念に縛られていた。性も空の色のようにグラデーションなのかもしれない」。

 反抗はやめた。なぜスカートを履きたくないのか説明し、男子の制服着用が認められ、卒業直前には先生からこう言われた。“これから社会に出たら、みんないろいろな人に出会う。お前の経験をみんなに話してみないか”。学年全員の前でカミングアウトし、想いを伝えることができた。「もしこの先みんなが私のような人に出会ったら、みんなが私にしてくれたように向き合ってほしい」。

誰かの一歩を照らす歩みの太陽になる

 “性”にこだわるのではなく“生”を追求していこうと決意し、高校卒業後は地雷撤去を志し自衛隊に入隊。しかし女性自衛官は地雷撤去に携わることができないと分かり1任期で除隊。自らの力で世界の現状を知ろうと旅に出る。

 「言葉や宗教、文化の違う国を1年間で22カ国旅して、世界には生きることがもっと深刻な人たちがたくさんいることがわかった。みんなが自分らしく生きるために、自分にも何かできることがあるんじゃないか」と、帰国後に起業。LGBTの人へのカウンセリングやサポート、講演依頼があれば、世界の旅や自分らしく生きることについてなど、さまざまな経験を言葉にしてきた。

 「私は出会いに恵まれカミングアウトすることができたけれど、できない人もいれば、したくない人もいる。さまざまな違いを持つ人が、自分らしく生きられる環境が整い、いつかカミングアウトさえいらない社会になるといいですね」。笑顔でそう語る堀川さんに、個人的な夢を聞いた。「自分自身が一歩を踏み出すことで、誰かが一歩を踏み出せるきっかけになるかもしれない。その人を照らせる“歩みの太陽”になりたい。そのために自分も真っすぐ歩み続けていたい」。

【プロフィール】心は男、体は女として生を授かる。高校卒業後、陸上自衛隊入隊。その後世界一周の経験を経て LGBT総合サポート事業起業。教育機関や行政などでの多様性教育の講演や研修実績150件以上。2015年株式会社ミライロ入社。誰もが自分らしく歩める社会を創るために日々奮闘中。