インタビュー

2017/04/30

虹色の小さなマークが大きな安心になるよう

渋谷区男女平等・ダイバーシティ推進担当課長

永田龍太郎さん

201511月、国内で初めて同性カップルを夫婦に等しい関係と認める証明書の交付を始めた東京都渋谷区。これまでの発行数は17組。「着実な伸長の一方、周囲を気にするカップルの問い合わせも」と話すのは、同区男女平等・ダイバーシティ(多様性)推進担当課長の永田龍太郎さん。LGBT当事者としての視点や経験を買われ、昨年11月に民間企業から起用された。

 思春期でゲイを自覚、カミングアウトできたのは前職のギャップ ジャパンでLGBTの同僚たちと出会えたから。同社が支援するLGBT啓発イベントでは、1000人のカミングアウト写真のスタイリングを担当。「一人ひとりとの対話経験が、今の仕事につながった」。

 渋谷区から世田谷区、伊賀市、宝塚市、那覇市と広がるパートナーシップ証明書。「先駆けである渋谷区だからこそできることがある」と話す永田さんの胸元に、取り組みのひとつが輝く。渋谷区の花「ハナショウブ」をLGBT支援を表す6色の虹に彩った「レインボー・アイリス」。それは渋谷区のLGBTダイバーシティ推進のシンボル。「役所などでこのバッジを着けている職員がいるだけで、LGBTの方に少しでも安心感を伝えられれば」。今後はLGBTを支援する企業や店舗、事業所などにもレインボー・アイリスを掲示できるツールを提供していく。「正しい知識や言葉遣いを気にして萎縮せず、マークを着けて欲しい」と永田さん。「気持ちが伝われば、そこから建設的なコミュニケーションが必ず生まれるはず」。

 同区では今年初めて東京レインボープライドにブースを出展、2日間で約20人の弁護士らがパートナーシップ証明書の発行手続きに関する疑問に答える。「まずは広く知ってほしい、どなたでも興味のある方はお気軽に」。 

 

5/67 CHANGE –未来は変えられる東京レインボープライド2017

「東京レインボープライド」は、 性的指向や性自認のいかんにかかわらず、差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく、各個人が幸せを追求していくことができる社会の実現を目指すイベントの総称。4/295/7の「レインボーウイーク」にはさまざまな催しが行われ、5/67には代々木公園イベント広場を中心に、フェスタ&パレードが開催さます。

メインとなるパレードは 57日(日)12:0015:30 実施予定。

車両などをカラフルに装飾した「フロート」と呼ばれる山車が参列者を先導し、渋谷・原宿界隈をパレード。隊列に参加するには前日・当日の申し込みが必要。 

TRP2016_0508c_72

詳しくは公式HP

http://tokyorainbowpride.com/

特定非営利活動法人 東京レインボープライド

 

 

プロフィール

1975年、福岡県生まれ。東京大学卒業後、大手広告会社に就職。2002年ルイ・ヴィトン ジャパンPR担当を経て、07年ギャップ ジャパン入社。ゲイをカミングアウトし同社のLGBT事業を牽引。16年9月退職、渋谷区男女平等・ダイバーシティ推進担当課長に就任。

関連記事