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インタビュー

大胡田 誠さん
たくさんの「心」「夢」がある社会へ大胡田 誠さん全盲の弁護士

光を失い、 得た「夢」

 先天性緑内障のため、小学6年の夏、光を失いました。本も読めず、自由に歩くこともできなくなりました。そんな自分を見る周りの目が気になり、中学は地元を離れ東京の盲学校へ。
 しかし、中学2年の時、日本で初めて全盲で弁護士になった竹下義樹氏の手記を点字で読み、それまでのコンプレックスは一変しました。“人よりも劣っている”という考えは、ただの思い込みに過ぎず、今まで人に助けられてきた自分も弁護士になれば、人の役に立てるという夢が生まれたのです。それからは、勉学に励みました。ボランティアにお願いして、教科書などを点字に変換。または朗読してもらい内容を理解。途中からはPC画面の文字を読み上げるソフトを活用できるようになりましたので、能率はだいぶ上がりました…それでも、司法試験は4回落ちましたハハハハハー。
 現在は、アシスタントと協力しながら、依頼人を法律的にサポート。依頼人が再起して次の一歩を踏み出してもらうために、その声にじっくり耳を傾けています。家に帰れば、妻と二人の子ども。妻も全盲ですから、子育ては気が抜けません。散歩の時、娘は私の手を引いてくれますが、息子は自由に駆け回るので、本当に目が離せません!

人と人。 その間に「心」がある

 街中で障がい者を見かけたら「何かお手伝いすることはありませんか」などと声をかけてみてください。そんな周囲の人たちのちょっとした気遣いが、私たちにとって本当に大きな助けになります。もっとも、自分と立場の違う人との接し方は難しいと思います。そんな時は、相手のこと、その状況をちょっと想像してみるだけで良いと思います。その時、相手と自分の間に生まれるものが「心」です。
 2016年には「障害者差別解消法」が施行されます。障害のある法律家として、「法律」と「心」によって、障害の有無にかかわらず、誰もが自分の夢を実現できる社会にしていかなければならないと思っています。私が中学生の時に、竹下弁護士の本からもらった希望を、今度は私が誰かに手渡していきたい。日々、そんな想いで弁護士活動を行っています。ところで、ご縁とは不思議なもの。今、竹下弁護士は、私が勤める法律事務所の所長、私のボスです。

【プロフィール】【プロフィール】1977年静岡県生まれ。先天性緑内障により、12歳で失明。慶應義塾大学大学院法務研究科修了。5回目のチャレンジで司法試験に合格。日本で3人目の全盲の弁護士に。 現在は、 「つくし総合法律事務所」に所属。 著書『全盲の僕が弁護士になった理由−あきらめない心の鍛え方−』(日経BP社)