連載コラム

2021/04/06

今日は誰目線? 便利なアプリが全盲の一人暮らしを救う

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。


便利なアプリが全盲の一人暮らしを救う

 今の時期、新生活を始める方も多いのではないでしょうか。私は大学生の時に一人暮らしを始めました。生まれつき全盲の私にとっては不便なこともありましたが、工夫をしながら生活してきました。そんな中でも、「エアコンの設定温度が分からない」という問題は 10 年近く解決できずにおりました。リモコンのボタンの位置を覚えれば操作自体はできるのですが、「今、何℃に設定されているのか」は画面に表示されるので確認することができずにいました。
 しかし最近、ついに長年の悩みを解決できるツールに出会いました。それは「スマートリモコン」という、スマホがリモコンの代わりになるというものです。スマホには画面の情報を音声で読み上げてくれる機能が標準搭載されているので、私は普段からスマホを皆さんと同じように使用しています。スマートリモコンはアプリから家電を操作でき、エアコンの設定温度も音声で読み上げてくれるのです。
 もともとこのリモコンは外出先からでもエアコンを操作できるという便利なアプリとして誕生したようですが、全盲の私にとっても不便が解消されたアイテムでした。このアプリを手に入れて以降、季節の変わり目に冷房をつけていたつもりが暖房になっていた、なんてことはもう起こりません。


●原口 淳
株式会社ミライロ ユニバーサルマナー部 講師。生まれつき全盲という視覚障害者の視点から、全国の企業・自治体・学校などで講演を行う講師。

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