連載コラム

2021/01/19

今日は誰目線? ー情報発信で「行ける」を「行きたい」に変えるー

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。


情報発信で「行ける」を「行きたい」に変える

 幼い頃から車いすで生活していた私は、自身が自由に移動できる社会へ変えたいと、建築を学びました。設計やまちづくり、様々なことを経験した私が選んだ仕事は、バリアフリーの情報を伝えるバリアフリーマップや冊子の制作でした。
 バリアフリーマップは、経路の段差・自動扉や多機能トイレの位置などを伝える地図です。私自身も、外出の際にバリアフリー情報を参考にして利用の可否やサポートが必要かを考えます。しかし、設備の種類や有無を伝えるだけでは、不十分な場合もあります。

現地で使用感を確認し、マップ作りを行う様子


 その例として、コンサートホールや映画館の、車いす対応座席の情報です。対応座席があったとしても、その位置が最前列で広すぎる場合があります。目立ちすぎたり、付添人と離れるなど、場合によっては居心地の悪さにも繋がってしまいます。「車いすに対応した座席がある」という情報を伝えるだけでは不十分で、配置図や座席の写真などを交え、個々の利用者が求める環境であるかを伝えることが解決になります。
 車いすユーザーには、少しの外出も敷居が高く、外で過ごす時間は貴重です。大切な時間につきまとう不安を解消し、「行きたい」を増やす。そんな変化を起こすことが、「車いすユーザーのデザイナー」の使命だと感じ、日々取り組みを広げています。


●藤田 隆永
株式会社ミライロ ビジネスソリューション部クリエイティブチームデザイナー 。車いすユーザーのデザイナー。障害のある当事者の視点を生かし、デザインを通してインクルーシブ社会を広げる。

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