連載コラム

2021/05/13

今日は誰目線? 

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。


ミライロハウスから生まれる新しい視点、新しい気づき

 今年の3月までミライロハウスはミライロ社員を中心に運営をしていました。しかし今は車いすユーザー4名、弱視2名、聴覚障害1名の学生を中心としたアルバイトスタッフと一緒に運営をしています。障害のある学生を積極的に採用することになったのは、初めて採用した障害のある学生から「今まで面接を受けても不採用続き。アルバイト経験がないまま就職をするのは怖かったので、ここで働けてよかった」と言われたことがきっかけでした。

ミライロハウスのアルバイトスタッフ


 当初は必要な配慮やコミュニケーション方法など不安な点もありましたが、一緒に働いていると大きな気づきもありました。それは、障害のあるスタッフが接客させていただくことで、お客様の体験価値も高まるということです。例えば、聴覚障害のあるスタッフにお客様が何かお聞きになりたいとき「どうすればいいのかな」と、自然に考えてくださいます。そしてそこには、筆談や口話を使った会話が生まれるのです。
 このように、学生が自分の障害をプラスに感じる場面が少しずつ増えているように感じます。まさにミライロの理念「バリアバリュー」です。ちなみに、車いすユーザーの学生にも開店準備がしやすいようレイアウトを変更したところ、動線がスムーズになって私の開店準備のスピードも上がりました。


●金井 勇樹
株式会社ミライロ ビジネスソリューション部。ダイバーシティ&インクルージョンに関する情報発信と交流の拠点である「ミライロハウス TOKYO」で店舗チーフを務める。

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