連載コラム
2016/09/29
孤独ではない理由
日本財団パラリンピックサポートセンターの顧問として、バリアフリー調査のため、リオパラリンピックを視察。カーニバルのように熱狂的なおもてなしを受け、私はリオが大好きになりました。そこには孤独ではなくなる二つの理由がありました。
まず、競技会場に到着すればスタッフの方が我先にと駆け寄り「俺が席まで案内するからついてきなよ」と快く誘導してくれます。スタッフの方だけではなく、街中の人たちが陽気にサポートの声をかけてくれるのです。日本ではなかなか経験できない日々でした。現地の女性からはハグやキス、写真撮影まで求められ、まるでパレードに参加しているような心地でした。
もう一つは、競技場、飲食店やホテル、どこを見渡しても私と同じ車いすユーザーがいたことです。人は異質なものに自然と線を引いて遠ざけがちです。例えば健常者と障害者、大人と子ども、日本人と外国人。熱気あふれるリオには異質を感じさせない、人々の魔法がありました。
2020年の東京において、私たちは「どんな人も、違いが違いでなくなる瞬間」を創り出せると確信しています。そのためにはハードだけではなくハートを変えていくことは必要不可欠です。皆さんと一緒に、誰もが笑顔で過ごせる社会とハートを実現していきたいです。