連載コラム
2020/04/03
〈スロウプ vol.2〉「視点を増やし、想いをつなぐ」 垣内俊哉
大阪の多様性の源は「あきんど文化」にあり
ミライロ運営によるWEBメディア「スロウプ」で、さまざまな人と対談を展開中。ここでは、その後日談やこぼれ話をお届けします!
視点をひとつ増やすメディア「スロウプ」 https://sloope.jp/
「白洲次郎 占領を背負った男」などの評伝で知られる作家・北康利さんとお話ししていると、大阪は多様性と向き合いポテンシャルを発揮する街だと改めて気づきました。大阪は北さんが青年期を過ごし、私がミライロを創業した街です。大阪には古くから「あきんど文化」があります。昔の大阪商人は、家族に障害者が生まれたら、福の神として大切に育てていました。私は言い伝えとして認識していましたが、北さんは事実ではないかと言います。ものを売るには、マーケットや時流に対して、アンテナを張る必要があります。障害者を大切に育てる家族のように、人を思いやる気持ちや優しさがあれば、アンテナは自然と高くなります。
北さんの話を聞きながら、私は大阪で焼き肉屋の店員さんに客引きをされた時のことを思い出しました。車いすに乗る私に「今なら一階のテーブル席が空いてますよ!」と、声かけをしてくれたのです。店員さんが二階やカウンター席は難しいはずと予測できたのは、経験によるものではないかと思います。恐らく、車いすのお客さんを受け入れたことがあるのでしょう。多様性と向き合い経験値を蓄積することで、商人のスキルも磨かれる。大阪を誇らしく思うとともに、私自身、大阪の商人文化から学ぶことがありました。
●PROFILE● 垣内 俊哉
株式会社ミライロ 代表取締役社長。1989年生まれ。岐阜県中津川市出身。2012年立命館大学経営学部卒業。在学中2010年に株式会社ミライロ設立。