連載コラム

2022/11/30

今日は誰目線?

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーなどが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。

「パートナー」の存在 

「東京都パートナーシップ宣誓制度」の運用が2022111日からはじまりましたが、皆さんは「パートナー」という言葉を聞くと誰の顔を想い浮かべますか?私は学生時代、自分のパートナーの存在を誰かに話したり、パートナーも私との関係を他人に話せない時期がありました。

将来自分は男性として身体を変えて生きていけるのか、最愛の人と結婚したり子どもを授かったり家庭を築いていくことは望んでいいことなのか。堂々と誰かを愛したり愛されたり、そんなことを日常会話の中で話せる日々はくるのか、自分がそんなことを願ってもいいのかと漠然とした不安だけがありました。

あれから十数年の年月が経ち社会の変化もある中で、今は周囲の人のおかげで、嘘をつかずに自分の事を話せるようになり「パートナー」と今年3月に入籍することができました。正直課題が全くないのかというと嘘になりますが、それでも温かく受け入れてくれる人や一緒に乗り越えていこうとしてくれるパートナーの存在がいることで今の私がいます。

まだまだ制度上や意識面でも完全にフラットな社会ではないかもしれませんが、誰もがありのままの自分らしさを大事に、多様な家族のあり方が当たり前になる社会を作れる一員で私自身もありたいと思っています。

パートナーとの前撮り写真


堀川 歩

株式会社アカルク 代表取締役社長

身体は女性として生まれたが、物心がついた頃から心は男性と自覚していたトランスジェンダー。2014年(株)ミライロ入社。LGBT事業の立ち上げと人事部長を務めたのちに独立。20年(株)アカルク設立。多様な人が働きやすい職場環境を作る人事コンサルティングなどを展開。18年には海外で性別適合手術を受け、戸籍上も男性に変更した。

 

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