連載コラム

2019/01/07

垣内俊哉「106cmの視点から」

あと2500日

 先日、出張で大阪へ行った時のことです。電車を降りる時、紳士風の男性から「なにかお手伝いできることはありますか?」と聞かれました。改札口では見知った駅員さんから「ほな気をつけて」と、笑顔で送り出してもらうこともしばしばです。過去には繁華街でガールズバーの客引きをしていた女の子から「うち、車いす系男子、めっちゃ好きやねん!」なんて言われたことさえありました。東京と比べるつもりはありませんが、声をかけてもらう頻度は大阪の方が多いように思います。さすが、「大阪のおばちゃん」という言葉が生まれる街です。あっけらかんとしたお節介も、たまに恋しくなります。

 そんな中、2025年万国博覧会の開催地が、大阪に決まりました。大阪はユニバーサルマナーが広がりやすい土壌が既にできています。きっと、世界中から多様な人々をお迎えできるでしょう。私自身、そうしたいと願っています。東京オリンピック・パラリンピック、そして大阪万博が終わるまでの約2500日は、日本全体で「障害者へ向き合う経験値」が劇的に増える期間とも言えます。障害者の外出が増え、施設や設備を整えるお店が増え、声をかける人が増えるという好循環が、日本中のバリアを解消する推進力になるはずです。


●PROFILE● 垣内 俊哉
1989年生まれ。岐阜県中津川市出身。2012年立命館大学経営学部卒業。在学中2010年に株式会社ミライロ設立。

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