連載コラム
2019/07/05
垣内俊哉「106cmの視点から」
コーヒーと一枚の紙袋
毎朝、コンビニでコーヒーを買ってから出社します。会社の近くにあるコンビニで、最初のうちは砂糖とミルクを断っていましたが、行きつけになると、何も言わずにブラックコーヒーを差し出してくれました。尋ねられる代わりに「今日も行ってらっしゃい!」と声を掛けてもらえるようになり、嬉しく感じていました。
先日、別のコンビニへ行ったところ、一杯だけ購入したにも関わらず、店員さんが「袋に入れた方が持ちやすいでしょうか?」と紙袋を渡してくれました。カップを持ちながら、人混みの中、車いすをこぐのは大変です。たった一枚の紙袋に、私はずいぶん救われました。環境汚染を防ぐために、ゴミの削減が推奨されています。とても重要なことです。私も、使わないであろう砂糖・ミルクや、ストローは可能な限り受け取りを断るようにしています。一方で、私のように、手足が不自由で荷物を多く持てない人など、たった一枚の紙袋に救われている人がいるのかもしれません。ゴミを減らすことは大切ですが、全てを削減すれば良いというわけではなく、必要な人に、必要なモノが届いてほしいです。そのために、必要かどうかの声掛けと、不要なモノはしっかり断る、という双方のコミュニケーションが重要なのだと感じました。
●PROFILE● 垣内 俊哉
1989年生まれ。岐阜県中津川市出身。2012年立命館大学経営学部卒業。在学中2010年に株式会社ミライロ設立。