レポート

2021/04/22

広がれhirari みんなの扇子　　UD扇子プロジェクトレポート Vol.02

　HEART & DESIGN FOR ALLが約2年の月日をかけて取り組んできた「みんなに使いやすい扇子『hirari（ひらり）』プロジェクト」。第１号モデルを、これまで取材などでご協力いただいた方々にモニター試用してもらいました。その感想の一部をご紹介します。

<「hirari」の特徴>

○持ちやすいフォルム
小さな手にも収まりやすいよう要（かなめ）を円形に、木部には多摩産材を使用しました。

木部を製作したのは…
社会福祉法人泉会就労継続支援B型事業所　「就労日の出舎」の皆さん
「東京の森林を守り、地域連携・林福連携を大事にしています。福祉事業の力を合わせて1つの商品を作るこのような連携を今後も大切にしていきたいと考えています」

○ぴったりおさまる布袋
汚れないように、かばんの中で広がらないように、専用の布ケースを付けました。

布ケースを製作したのは…
特定非営利活動法人福島市聴覚障害者福祉会就労継続支援B型事業所　「なのはなの家」の皆さん
「1ミリもずれないよう方眼紙で確認しながら縫製し、内側がほつれて扇子がひっかからないようロックミシンで丁寧に仕上げました。地方の小さな事業所ですが多くの方に知っていただくことができ嬉しいです」（スタッフの田嶋さんが手話で取材）

<「hirari」使用者の声>

『hirari』を手にした皆さんの声

【社会福祉法人東京栄和会　特別養護老人ホームうらやす和楽苑】
生活課長の足立さん、スタッフの田所さんが、3名の入居者の方にhirariを手にした感想を聞いてくださいました。

白竹さん
「色がたくさんあって、品もある。柄物もあるとさらにいいわね。紙の部分が柔らかいから風も柔らかく感じるわね」
置鮎さん
「日本舞踊をしていたからわかるの。扇子を片手で開くには勢いが必要なのよね。でもこれはサッと開けるからいいわ」
吉田さん
「前に使っていた扇子は小さくて風が来なくて手が疲れやすかったけど、これは大きさもちょうどよくて使いやすいですね」

写真提供/うらやす和楽苑

【NPO法人 Mission ARM Japan 　 (ミッションアームジャパン)】
http://www.mission-arm.jp/
Mission ARM Japanは上肢に障害のある人たちの出会いと情報共有の場を提供する団体。理事長の倉澤さんが当事者であるメンバーの声を集めてくださいました。

・傾けただけで扇子が開き、片腕しかない私にはとても楽でした
・片手だと付属ケースに収納しづらい。袋の底にマチをつけるなど工夫があると便利だと思った
・開発ストーリーにあった“愛着のもてるもの”という言葉が嬉しかった。片手という制限から仕方なく選ぶのではなく、気に入ったものを選びたい
・柔らかくていい風が来る。力を入れず小さな力で十分風を感じられます