レポート

2018/12/28

サイクリストの聖地 佐倉市で千葉県初タンデムレンタル

荒川区の田中さん(右)と、弱視が進みタンデムの コ・パイロットとして楽しむ船橋市の野村さん(左)

小城隆文(こじょうたかぶみ)さん(公益社団法人 佐倉市観光協会 佐倉ふるさと広場 管理棟 主任)

 今年4月の千葉県のタンデム自転車公道解禁を受け、同県佐倉市では7月にタンデム自転車のレンタルを開始した。サイクリストに人気の千葉県内でも、自転車競技部を描いた人気漫画の舞台であることから「聖地」ともいわれる佐倉市。「うちがやらずに、どこがやる!」と、熱い想いで導入を推進したのは佐倉市観光協会 佐倉ふるさと広場管理棟主任の小城隆文さん。

 中学時代に一日で房総半島一周を果たすほど自転車好きの小城さんが勤める佐倉ふるさと広場は、目の前に西印旛沼が広がり、約15キロのサイクリングコースが整備されている。市内に数カ所あるレンタサイクル・ステーションのひとつでもあり、週末はサイクリストであふれかえる。小城さんがカスタマイズした2台のタンデムは、わざわざ遠方からマニアが訪れるほどのレアモデル。レンタル状況も好調で、開始翌週には視覚障害のあるサイクリストが友人とともに来場した。「パイロットがコ・パイロットをリードする気遣いがすごく勉強になった」と小城さん。タンデム自転車は若いカップルはもちろん、大人にも人気。「2人の距離が近いのでコミュニケーションツールとしてもおすすめ。スタートしたら喧嘩は禁物」と笑顔で語る。春はチューリップ、夏はひまわり、花火大会、秋はコスモスと四季折々に楽しめるこの場所で「今後はイベントも企画したいし、タンデム走行会に参加して全国にPRしたい」と意欲に燃える。

 風を切って走る爽快感を、多くの人が、安全に楽しめるタンデム自転車。ぜひ一度体験し、視覚障害者にとっての趣味やスポーツとして、日常の移動手段として、広がる可能性についても考えてみてほしい。

タンデム自転車 レンタルガイド
  • 料   金  2時間1,500円、4時間3,000円、1日4,000円
  • 貸出時間 9:00~16:00
  • 対象身長 パイロット(前席)165cm以上、コ・パイロット(後席)145cm以上
  • 対象年齢 パイロット15歳(高校生)以上、コ・パイロット制限無し
  • 対象体重 パイロット、コ・パイロットとも90kg以下
  • 貸出場所 佐倉ふるさと広場 (佐倉市のその他レンタサイクル・ステーションではタンデム自転車のレンタルは行っていません)
  • ■お問い合わせ 
    佐倉ふるさと広場 管理棟 TEL:043-486-8898

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