レポート
2023/01/07
盲導犬ユーザーとhirariがコラボ!UD扇子プロジェクトレポートVol.04
Vol.04 UD扇子プロジェクトレポート
この度、一般社団法人 盲導犬総合支援センターが運営する通販サイト「盲導犬サポートSHOP」で、みんなの扇子hirari限定モデルの販売が決定しました。これは1号モデルのモニターアンケートとリモート座談会を通してお寄せいただいた、盲導犬ユーザーの方々の声を反映したコラボレーションモデル。3名のモニターが参加した座談会の模様と、インクルーシブにデザインした新しいhirariをご紹介します。
盲導犬総合支援センター×みんなの扇子hirari座談会レポート
石田 尚志さん(74歳)島根県松江市在住
早川 美奈子さん(53歳)埼玉県さいたま市在住
佐藤 佳代子さん(50代)福島県郡山市在住
盲導犬総合支援センター(以下、センター)
岩間 智美さん
三野宮 良子さん
みんなの扇子hirari
製作スタッフ
(以下、スタッフ)
hirariは開きやすいが扇いだ時の音が気になる
スタッフ:事前アンケートでご指摘が多かった「扇いだ時の音が気になる」という点についてお聞かせください。
早川:私も音は気になりました。電車に乗ってすぐなどは思い切り扇ぎたいので、周りの人にどう聞こえるかな。
石田:私が普段使っている扇子の音をお聞きください。ほとんどしないと思います。次にhirariを使ってみますね。皆さん、聞こえますか?
早川:聴こえますね、パタパタって。
石田:この音は、親指と小指で思い切り開いて使うと抑えることができます。しかし力が緩むと音がする。この問題をぜひ解決していただきたいと思います。
スタッフ:ありがとうございます。石田さんがお使いの扇子は、竹の骨組みに一枚の紙を貼った江戸扇子ですね。hirariは日本古来の「檜扇」に着想を得て、間伐材と再生紙を使用しています。開きやすさと、やさしく扇いだときの風量を優先して開発した経緯があります。
センター:やさしく扇いだときの風量は、他の扇子よりも大きいと感じますね。
佐藤:でも暑いときは犬も一緒に扇いであげるので、周りの方に対して音が気になるんじゃないかな。
早川:ゆっくりやさしく扇ぐと確かに音はしない!だけど、あんまり涼しくない(笑)。
石田:ここが改善できると一歩進みますね、ぜひ突破してください!
スタッフ:紙の強度を上げるのか、長さか、枚数か、もう一度検討してみたいと思います。
佐藤:羽をつなぐ糸を先端ぎりぎりにしたら?
スタッフ:先端にしたほうが固定されるかもしれませんね。できるだけ元のデザインを変えずに音の問題をどう解消できるか、製造部門としても考えたいと思います。
デザインの特徴でもある丸い持ち手の印象は?
スタッフ:次にアンケートでご指摘が多かった持ち手の部分。扇ぎやすさ、持ちやすさという観点で丸くデザインしたのですが、「ちょっと大きすぎる」というご指摘もいただいています。
早川:私は持ちやすいと思いました。丸っこくてかわいいし、とがっていないので手に優しい。
佐藤:私にはちょっと大きいかな。もうちょっと小ぶりでもいいように思います。
センター:支援センターにも女性スタッフが多いので「持ち手の大きさが軽減されるとよい」などの声はありました。
石田:持ち手の直径と同じ幅の羽にすれば枚数を減らせますよね。そうすると持ち手は薄くなりますよね。
スタッフ:羽の枚数を減らせば薄くはできますね。
センター:枚数が減ると音も小さくなる?
スタッフ:枚数を重ねることで強度も保たれているので、あんばいをどうするか。これも実験してみたいと思います。
盲導犬のアイコンはコラボレーションの証
早川:ラブラドールがいいです。
佐藤:ラブがいいと思います!
早川:hirariのロゴの横に犬のイラストがあったらいいですね。
佐藤:ワンポイントくらいのさりげなさで、「何だろう?あ、ワンちゃんだ」ってわかるといいなと思います。冠婚葬祭にも使えるようなデザインで。
石田:冠婚葬祭に持っていけるものであるとうれしいですね。扇子の組み立ては福祉事業所でやっているのですか?
スタッフ:就労継続支援A型事業所に依頼しています。
石田:チャリティ商品ではなく、ぜひ「ここでしか買えない」機能と魅力を持った扇子にしてください。
佐藤:これだけ素晴らしい物を考案されたのですから、さらなる改良を楽しみにしています。
早川:今後、オプション加工でイニシャルを入れられたら、「世界でひとつの扇子」としてプレゼントできていいな。
石田:いいですね!私は孫たちが小学校に上がるときに必ず名前入り鉛筆をプレゼントするんです。大事に使ってくれます。
スタッフ:我々の開発コンセプトでも「愛着」は重要ポイント、今後検討したいと思います。本日はありがとうございました。
盲導犬ユーザーの皆さんの声で、hirariのここがリニューアル!
・羽の長さを20㎜短くすることで
パタパタ音を軽減
・持ち手の円の直径を2mm小さく
・盲導犬のアイコンを
入れました!
盲導犬総合支援センターとは
チャリティーグッズ販売などのビジネス活動を通じて、目や体に障害のある方への支援と、そのパートナーである補助犬の育成を支援する団体。オリジナルグッズは通販サイトを中心に一般に広く販売されたり、企業のCSRの取り組みに採用されるなど、その輪は広がりつつある。