レポート
2018/12/14
Médecins du Monde 世界の医療団 世界の活動現場から ②
健康と人権に基づくハームリダクション
(C)MdM
世界の医療団(Médecins du Monde:MdM)
フランス ハームリダクション・アドバイザー
エルンスト・ウィッセさん
ハームリダクションは、ある人の健康に害を及ぼす習慣や危険な行為を止めさせることに主体をおかず、その行為で生じる「危険・害を減らしていくこと」を目的とする考え方。MdMのハームリダクション・プログラムは、薬物使用者、MSM(男性同性間性的接触経験者)、セックスワーカーなど、対象となる人々の健康を守り、改善し、彼らの医療アクセスを阻む法的、社会的、普遍的な障壁や偏見を取り除くことを目的としています。
プログラム対象者(薬物使用者、セックスワーカーなど)は、HIV、C型肝炎の感染率が非常に高く、また世界60%以上の国が、HIV治療と予防に対し妨げとなる法律や政策を設けているのが現実です(WHO)。世界の医療団は1989年にフランスで注射針交換プロジェクトを立ち上げ、これまで世界各地で革新的なプログラムを実施。注射針を交換し、避妊具を配布し、情報共有することでコミュニティ全体に働きかけます。活動に欠かせないのが当事者や、かつて当事者であったピアスタッフの存在。当事者の抱える事情や背景を理解し、そのリアルを私たちに教えてくれます。
薬物を使う、性を売る、同性愛者やトランスジェンダーである人たちが、社会から排除されることがあれば、私たちは戦います。彼らもみな同じ権利を持っているのです。
ほとんどの場合、脆弱性は社会の側にあります。偏見や差別が人々をより困難な状況に追いやることを理解してほしいのです。
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