レポート
2019/07/29
<寄稿>人類の課題をデザインで解決しよう!「SDGsデザイン・インターナショナル・アワード」開催
<寄稿> 九州大学大学院 SDGsデザインユニット長/教授 井上滋樹
社会課題を解決する、学生のデザインやアイディアを募集中一般公募は、2019年10月31日(木)まで
九州大学大学院芸術工学研究院SDGsデザインユニットは、国連が2030年までの達成を目指している「持続可能な開発目標(SDGs)」に対して、デザインの領域から貢献する組織として平成30年4月に設立され、社会プラットフォームとしての役割を担いながら、市民、NPO、産業界、海外の高等教育機関、国際機関等と連携し、世界の社会課題をデザインによって解決する様々な事業を行ってきました。
昨年度から実施してきた株式会社花王との協同プロジェクト「九大×花王SDGsクリエイティブコラボ」では、インドにおける衛生観念の啓発・衛生環境の改善を目的とした絵本『The Great Indian Cleaning Mission!』(英語版・ヒンディ語版・マラディ語版)を、2019年3月13日にインド・ムンバイの貧困地域にある2つの初等学校(ジャナタ・シクシャン・サンスタ校、ビワンディ・ニザンプール・マハナガールパリカ校)の児童約1000人に寄贈しました。(下の写真は井上教授と絵本を手にする子どもたち)
2019年度の新事業として、SDGsデザインユニットは、社会課題を解決できる優秀なデザインやアイディアを表彰する本邦初の「SDGsデザイン・インターナショナル・アワード」の開催を決定しました。一般公募期間は、2019年6月1日(土)より2019年10月31日(木)までです。
具体的には、今後の社会を変革できるデザインに関心のある世界中の学生を対象に、(1)「自然災害による被害の対策につながるデザイン」(2)「美しい海の豊かさを守るためのデザイン」(3)「民族、国籍、年齢を超えて多様な人が共生するためのデザイン」という3つの募集テーマに沿うデザインを公募し、その中から優れたアイディアを表彰します。このアワード開催を通して、斬新なデザイン・アイディアの創出と共有を積極的に推し進めたい考えです。
このインターナショナルアワードを立ち上げることにより、日本国内のみならず世界中の学生が斬新なデザイン・アイデアを考える機会を創り出したいと考えています。応募されたアイデアを世界と分かち合い、そして、特に優秀な作品を表彰することで学生の萌芽的活動を支援したい、また、SDGsの目標達成に貢献する活動を九州の地から世界規模で積極的に推進していきたいと考えています。ここから世界を変えるアイデアが生まれたらどんなに素晴らしいでしょうか! 人類の課題にデザインで解決しようという熱い思いを持った世界中の学生の皆さんの応募をお待ちしています。SDGsデザインユニットは、今期もさらなる活動の発展に向けまい進したいと思います。
「SDGsデザイン・インターナショナル・アワード」公式サイト https://www.sdgs.design.kyushu-u.ac.jp/awards/
●PROFILE●
井上滋樹 (九州大学大学院 SDGsデザインユニット長/教授)
九州大学大学院 芸術工学府にて博士号取得 博報堂コーポレ―トコミュニケーション局 情報デザイン1部長、米マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員、IHCD特別研究員(フェロー)、慶応義塾大学講師、博報堂ユニバーサルデザイン所長、東京大学先端科学技術研究センター交流研究員、博報堂ダイバーシティデザイン所長を経て現職。 多様な人を対象とした視認性に優れた文字やグラフイック、パッケージの制作、ユニバーサルデザインの店舗、まちづくり、患者や入居者に配慮した病院、高齢者施設のブランディング、インドやインドネシアなど、途上国の貧困層向けの調査や商品開発、SDGsへ取り組みなど、 ”人間中心”をキーワードとした、研究、デザイン制作、教育活動、国政連携、社会連携事業に従事 。 現在は、人間中心デザイン、社会課題解決イノベーション、未来デザインの研究と社会クリエーションを中心に活動中。