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レポート

2015/09/26

相手の身になることで、広場のようなホテルへ

京王プラザホテル

 東京・西新宿にそびえる、京王プラザホテルは、1988年「リハビリテーション世界会議」の会場となったことを契機に、バリアフリー化の舵を切る。しかし、「当初は車いすユーザーのことしか考えていなかった」と同ホテルの中村孝夫マネージャーは振り返る。当時は、ドア幅の拡張など車いすユーザーのための改装がメイン。そのため、聴覚障がい者や視覚障がい者、または高齢の方々や妊婦の方、海外の方など、「全ての人々を受け入れる必要性を感じていた」と続ける。その想いから、「世界一のユニバーサルルームをつくろう」との機運が高まり、これまで蓄えられた多くの利用者の声や、モニター宿泊者によるアンケート、専門家などの意見をもとに、2002年「ユニバーサルルーム」が完成する。

 その客室には、立ち上がり補助付きのアームチェア、車いすでも利用しやすい洗面所や机、聴覚障がい者向けの表示パネル、視覚障がい者向けに音声情報案内システムなどを完備。その多くが取り外し可能のため、設備過多とならずに利用者に応じた機能とホスピタリティが保たれているのだ。

広々と温かい、 プラザ理念

 補助犬用トイレなども設置しハード面を整備する同ホテルは、ソフト面の向上にも力を入れる。 2013年には日本ユニバーサルマナー協会から講師を招き研修を実施。サービススタッフが、声のかけ方、サポートの仕方などを学び、接遇の向上を図る。また、今年の5月には「障がいのあるお客様にも人生の節目を不安なく祝っていただきたい」とウエディングプランを展開。プラン化して情報発信することで、より多くの人たちに挙式の可能性を広げたいとの想いからだ。

 ソフトとハード面を合わせ、「ユニバーサルサービス」としてのホテル経営を実践する京王プラザホテル。その根源には「プラザ理念」があると中村氏。いわく「すべての人たちをウェルカム。国籍や立場、年齢、障がいの有無を問わず、誰もが気軽に足を運ぶ、そんな大きな広場(プラザ)のようなホテルを創業時から目指している」と、優しきホテルマンは笑みをこぼす。

 最後に中村氏は、お客様に気を遣わせ過ぎてはいけないと話す。必要以上に声をかけることなく、相手の身になりきったサービスを当たり前に行う。だからこそ、すべての人にとって心地の良い空間は生まれる。

 温かなプラザ理念が広がるホテルロビーには、今日も多くの人々が訪れる――。