連載コラム

2020/11/02

今日は誰目線?-色覚異常と私。-

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。


色覚異常と私。

 色覚異常。よく色盲や色弱と言われますが意味は同じで、現在では色覚特性や色覚多様性と言われることが増えました。同系色の違いや色の組み合わせがわかりづらい・見えづらいことがあり、私は幼少期に赤色と朱色の違いが分からず発覚しました。例えば、信号の赤と黄が同じに見える、黒板で白・黄・赤を使うと黄が白に見えるなどがあり、わからない時は近くの人に確認しています。
 中学生までは隠すことなく周囲に打ち明けていましたが、「これ何色に見える?」と面白がられたり、「色を覚えたらいいやん」と言われることも増え、だんだんと隠すようになりました。そんな中でも親しい友人は、必要以上に色覚異常の話題をせず、淡々と必要な情報を教えてくれることがとても心地良く嬉しかったのを覚えています。
 もう一つ苦手なことは、焼肉の焼き加減を見極めることです。「この辺は焼けてるよ」と一声かけてもらえると安心できますが、先輩と一緒だとどうしても申し訳ない気持ちが生まれてしまいます。

焼肉に行った時の写真。右下のお肉が食べごろかわかりづらい。

しかし、ある日先輩と入ったお店は、店員さんが焼いてくれるサービスがありました。「色がわからないから助かる」だけでなく、やっぱり店員さんが焼くとおいしかったです。「こういうところなら、目の障害も関係ないな」という先輩の一言が嬉しかったです。


●木田 樹
株式会社ミライロ ユニバーサルマナー部 ディレクター。生まれつき色覚異常がある。検定や講演の運営を担当しながら、自らの視点を伝える講師としても活躍。


話題の本の著者、岸田奈美さんにインタビュー

「家族だから愛したんじゃなくて、 愛したのが家族だった」


HEART & DESIGN FOR ALLのパートナー企業である(株)ミライロを退職した岸田奈美さんが、作家としての道を歩き始めた。「父が亡くなったときのこと、母の病気のこと、ダウン症のある弟のこと、辛かったことも面白おかしく文章にすれば価値になると気付けたのは、バリアバリューを理念にしているミライロで10年働いたことが大きく作用していると思います。書くことを通じて毎日新しいことに気付いています」。さまざまなメディアで活躍する岸田奈美さんにこれからも注目したい。

岸田 奈美 さん

インタビュー全文はこちらから

https://wp.me/p866rj-Q2

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