連載コラム

2023/02/09

今日は誰目線

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。

体験と感動を共有するということ

20221217日、アルビノの子どもとそのご家族が和歌山県のアドベンチャーワールドに集まりました。アルビノとは体の色素が生まれつき不足している状態で、髪や肌の色が薄くなる他、弱視の症状があります。そのため、動物園に行っても動物の大きさや表情などがわかりづらく、雰囲気を楽しむ人が多いようです。

今回はアルビノの当事者の方が「子どもたちに自分の目で動物を見て楽んでほしい」という願いからクラウドファンディングを立ち上げ、イベントが実現しました。当日、子どもたちの手にはQDレーザ社の「レティッサ」という視覚支援機器。今回はこの機械を貸し出すことで、子どもたちが自分の目で動物を見ることができました。「パンダの目の丸いところが見えた!」「イルカってツヤツヤなんだ」と大興奮の子どもたち。

レティッサでパンダを観覧する子どもの様子

実はこのイベント、きっかけはミライロハウスで働くアルビノのスタッフが水族館に行ったことでした。「今まで自分の子がこんなに“見ること”に対して執着し、関心を示したことがなかったのに、『見えたよ!』と私や周りにしつこいくらい言ってきて、こんなのは初めてだった」とご家族も喜んでくださりました。1人の体験と感動が当事者同士、そしてそのご家族にまで広がる様子を間近で体感し、共有することの大切さを改めて感じました。


金井 勇樹

株式会社ミライロ ビジネスソリューション部

ダイバーシティ&インクルージョンに関する情報発信と交流の拠点である「ミライロハウス TOKYO」で店舗チーフを務める。

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