連載コラム

2020/09/01

連載コラム 今日は誰目線?

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。


生まれつき全盲の私にとっての「色」とは?

 小さい頃の私にとって、自分の手で触れたものが、耳で聞いたものが、鼻で匂ったものが世界のすべてでした。好奇心旺盛な私を、祖母は様々な場所に連れて行ってくれました。ある日、庭の花を触っていると、祖母は「今のは赤色。そっちは黄色。」と言い始めました。その頃から、「色の概念」を教えてくれていたんだと思います。
 小学生になった頃、学校の先生から「今日の服、かっこいいね!赤が似合うね!」と褒めてくれたことが単純に嬉しくて、「色」というものに少しずつ興味を持つようになりました。「触っても分からないけれど、物には色というものがあり、それぞれ違うということ」を徐々に理解し、世界が広がっていったのです。もちろん私の好きな色はその頃から赤色です。

赤いシャツと靴を身に着けた私(左)と知人の子ども(右)

 
 年を重ねるにつれ、「りんごは赤色」というように、「色」を知識としてインプットするようになりました。ただ、自分のイメージしている色と、実際の色がどれだけ合っているのかという答え合わせはできません。でもだからこそ、周りの人からの言葉での情報をもとに、頭の中でたくさんの色を想像することが私は大好きです。街中で誘導してもらう時、「今日は真っ青な空で、とてもきれいですよ」なんて言ってもらえるだけで、皆さんと同じように気持ちがすっきりするものです。


●原口 淳
株式会社ミライロ ユニバーサルマナー部講師。生まれつき全盲という視覚障害者の視点から、全国の企業・自治体・学校などで講演を行う。

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