連載コラム

2018/07/31

垣内俊哉「106cmの視点から」

守られる立場から、築く立場へ

 なにか大きなことをして、自分を好きになりたい。皆と同じ土俵に立ちたい。私が大学に進学したのは、そんな思いがあったからでした。障害者が進学し、働く機会は年々少しずつ増えています。法律の整備や、施設のバリアフリー化などはもちろん大切ですが、これからは「障害者が学び、働きたいと思える理由」を作ることも必要です。一生懸命働いて、お金を稼ぎたい、使いたいと思える先があるどうか。それは、友だちとカラオケやボーリングに行く、買い物をする、飲み会へ行くなど「楽しく過ごせる場所があるか?」ということです。残念ながら、公共交通機関や教育機関などと比べると、遊べる場所のバリアフリーはまだまだこれからという状況です。

 先日、仕事終わりに社員とボーリングをする機会がありました。その店はレーンまでフラットで車いすでも投げることができ、視覚障害のある社員や聴覚障害のある社員も混じって楽しんでいました。遊べる場所や行きたい場所が増え、障害者がお金を使いやすくなることで、お店にとっても利益になります。障害者を「守られる立場」から「社会を築く立場」へ変えることが、結果的に進学や就労の増加に繋がると考えています。


●PROFILE● 垣内 俊哉
1989年生まれ。岐阜県中津川市出身。2012年立命館大学経営学部卒業。在学中2010年に株式会社ミライロ設立。

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