連載コラム

2017/10/31

雨ニモマケズ

雨の日に外へ出かけることが、いつからか億劫になっていました。傘を差すには、片手で交互に車いすをこがなければならないため、晴れの日の数倍、体力を使います。

学生時代、通っていた学校への通学時間は、晴れている日なら10分程度でしたが、雨の日はぬかるんだ道のせいで30分以上かかりました。雨は私の行動範囲を狭め、憂鬱にさせる、そんなマイナスの天気でした。先日、ある企業からの依頼で、駅から施設へのバリアフリー状況を調査する業務を行いました。天候はあいにくの雨。しかし、お客様と約束しているので行かないわけにはいきません。

いざ、雨の中、調査をしてみると、ずっと多くの改善すべき場所が見えてくることに気がつきました。濡れて滑りやすいタイルが敷かれていること。屋根のついた動線が途切れていること。どうすればあらゆる天候でも快適に移動できるかを考え、検証していました。

思い返せば、小学生の時、私は弟と「雪の中を移動できる車いす」を製作して、日本のみならず海外から表彰されたことがありました。子どもの頃の私は、天気にすら前向きに挑戦しようとしていたのです。憂鬱だったマイナスの雨を、チャンスの雨と捉え、新しいビジネスや快適な環境づくりに貢献したいと思います。

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