連載コラム

2018/01/31

目を貸して、目を借りた日のこと

 視覚障害のあるスタッフが入社してすぐ、僕はどうやってサポートができるだろうかと悩んでいました。彼がある日、「目を貸してください」と僕に声をかけてくれました。彼の代わりに資料や手紙を読んだり、会議室まで誘導したり、歩けない僕にでもできることがたくさんあることに気づかされました。

 昨年からペットを飼い始めました。室温の調整や、外出時のことが不安で、ネットワークカメラを設置しました。無線LANを経由して、映像をスマートフォンから確認でき、ほぼすべての範囲をカメラが追ってくれます。ペットがどこにいるか、なにをしているかわかるだけでなく、双方向に音声のやりとりもできます。ペットが喋ることはありませんが、こちらから話しかけることができるし、万一、空き巣等々の侵入があった場合、大いに防犯として番人役も果たしてくれます。僕もカメラに目を借りる形となったわけです。

 音声入力の精度が上がり、声を文字化することは容易になり、聞こえなくとも情報を得る手段が増えています。ロボットスーツの開発も急速に進めば、僕がいつの日か、足を借りて、誰かを手助けするために歩く日も近いのだと思います。

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