レポート
2022/09/29
B.LEAGUEが贈る 未来へのパス
9月29日、国内男子プロバスケットリーグ「B.LEAGUE」2022-2023シーズンがついに開幕!熱き闘いに期待が高まる一方、B.LEAGUEのもう一つの注目すべき活動が、スポーツの力でソーシャル・イノベーション(社会変革)の実現を目指す社会的責任活動「B.LEAGUE Hope(B.Hope)」です。全国規模で活動の幅を広げるB.Hopeによって日本中にどんな笑顔が生まれているのか、その取り組みについてご紹介します。
バスケを通じて、社会課題と向き合う〜B.Hopeの取り組み〜
「B.LEAGUE Hope(B.Hope)」は、2016年にB.LEAGUEが日本のプロスポーツリーグとして初めて創設した社会的責任活動のイニシアティブです。クラブ、選手、企業、自治体、ファンなどさまざまなパートナーと連携し、全国各地で多様な活動を展開しています。
創設当初、多岐にわたる社会課題にどう向き合うべきかを考え、まずは「ファンや地域の方々に必要とされる存在でありたい」と始めたのが、「難病を抱えた子どもとその家族を試合に招待」という取り組みでした。17年からは東日本大震災で東北地方のクラブが甚大な被害を受けた経験から、復興支援活動を始めました。21年、震災から10年の節目には「B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便」を立ち上げ、さまざまなアクションを実施。バスケと防災を融合させた独自のプログラム「防災バスケ(ディフェンス・アクション)」も開発しました。
子どもの支援においても、病気で長期療養を必要とする子どもの復学支援プログラム「TEAMMATES(チームメイツ)事業」を17年から始動。18年からは、ダイバーシティ&インクルージョンの実現に向けて「スペシャルオリンピックス日本」と連携。知的障がいのある人と知的障がいのない人がチームをつくり、スポーツを通じて互いの個性を認め合う「ユニファイドスポーツ®」のバスケ版「ユニファイドバスケ」を実施しています。近年のSDGsへの社会的関心の高まりとともに、B.Hopeの活動も活性化しています。
PEOPLE 子どもと家族支援/インクルージョン/STEAM教育など
PEACE 復興支援/街づくり/防災など
PLANET 地球環境循環型社会など
活動事例
B.Hopeの活動の中から、公益財団法人やNPOなどと連携しながら開発した2つのプログラムをご紹介します。
Pick up 1
長期療養を必要とする子どもの復学支援プログラム
「TEAMMATES(チームメイツ事業)」
2017年、NPO法人「Being ALIVE Japan」が開発した長期療養児を対象とした「TEAMMATES事業」をスタート。難病や慢性疾患等で長期療養を必要とする子どもたちは「退院後は元の生活に戻り元気に暮らしている」と思われがちですが、多くの子どもは通院や治療をしながら日常生活を送っています。体力の低下や外見の変化、友人との関係も希薄になってしまった子どもたちにとって退院や復学は大きな挑戦です。この事業では、長期療養する子どもがB.LEAGUEクラブに約半年間入団し、定期的にチーム活動に参加することで、体力向上や治療へのモチベーションアップ、精神的・社会的自立、そして療養生活を支えてくれる地域の仲間(チームメイツ)との交流を深めていきます。
第一弾は、東京をホームタウンとする「アルバルク東京」における取り組みでした。入院を経て復学したばかりの当時7歳の少年が入団。入団式が盛大に行われ、ホームゲームではチームスタッフとして参加しました。練習時も選手のドリンクづくり、自身のシュート練習、コートのモップがけなどを体験。最初の頃は緊張してチームメイトに声をかけることができなかった少年も次第に打ち解け、積極的にコミュニケーションを取るように。選手にとっても少年の存在が「チームの雰囲気を明るく盛り上げてくれる」と大きな支えになったようです。
18年には「大阪エヴェッサ」「横浜ビー・コルセアーズ」「レバンガ北海道」においても実施。子どもたちが自信を育み、社会とのつながりを実感できる活動です。
※本活動は「Being ALIVE Japan」が企画開発する「TEAMMATES事業」を通じて実現。B.Hopeのパートナーである日本財団の助成事業
Pick up 2
楽しみながら防災を学ぶ
「防災バスケ(ディフェンス・アクション)」
2021年、被災地復興支援に力を入れてきたB.Hopeは、独自に開発したプログラム「防災バスケ(Defense Action ディフェンス・アクション)」を始めました。東日本大震災から10年、震災の記憶の風化が進み、防災意識が薄れていく現状に対してバスケで何かできないかと考え、開発を進めたといいます。「ディフェンス・アクション」とは直訳すると「守る行動」。「防災において大事なこと」と「バスケの楽しさ」が融合したアクションを通じて、災害時に「備える人・動ける人・助ける人」を育てることを目的としています。 例えば「ファースト・アクション(初期行動)」というプログラムでは、「地震」というパネルが表示されると頭や首を手で守ってその場にしゃがむ動きを実践。一方「津波」と表示されると「高台エリア」とされているポイントまでダッシュします。また「B-DASH」というプログラムでは、コートに設置された女性・高齢者・乳幼児などの各コーナーに、それぞれに必要な備蓄品名が書かれたカードをドリブルしながら届けます。この体験によって、年齢や性別など被災者の属性によって必要な備蓄品が異なることが理解できます。これまで被災地のクラブをはじめ、将来南海トラフ地震が予想されている東海地方のクラブ「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」なども実施。選手と子どもたちが一緒になって楽しみながら防災の知恵を学びました。災害が起きても助け合える社会を目指して、この活動もさらなる展開を目指しています。
※サッカー版ディフェンス・アクションの開発を行っているHITOTOWA INC.と連携し、防災バスケプログラムを開発
B.Hopeについて詳しくはこちらから