レポート

2019/03/08

心も体も温まる 「銭湯」に行こう! <vol.2>

御谷湯二代目取締役社長・伊藤 林(しげる)さんと片岡 信さん

 さまざまな町で地域の人に愛されてきた銭湯は日本が誇る独自の文化。訪れる人が快適に楽しめるための工夫などについて伝えるレポート第2弾は、御谷湯の片岡信さんにお話しを聞きました。


みんなの喜ぶ顔を思い浮かべて

御谷湯   片岡 信さん

 御谷湯は1947年の創業時から温泉に恵まれ、地域の人に愛されてきた銭湯です。僕にとっては奥さんの実家、義父である社長のビジョンに共感して一緒にやらせてもらうことになりました。2015年に5階建てにリニューアルした際のコンセプトは「人と環境に優しい福祉型銭湯」。最初から福祉を目指したわけではなく、社長の思いありきなんです。

 リニューアルにあたり、常連さんの顔を思い浮かべながら設備やデザインを考えました。「階段を昇るお風呂なんか入れない」という声にエレベーターを設置し、全館バリアフリーに、各フロアに車いすで入れる多目的トイレも完備しました。近所で家族を介護している方が、親子や夫婦で安心して入れるお風呂を、という社長の思いから「福祉型家族風呂」も造りました。遠方からも車いすの方が、お一人でいらしたり、東京観光の際にご利用くださったり、思いがけない反響があります。バリアフリーだけでなく、毎日お湯を抜いて掃除している清潔さも自慢です。

要支援または障害者手帳を持つ人と家族が貸切入浴できる福祉型家族風呂

これは温泉に恵まれていることと、ビルの2階に入居する障害者就労支援施設との連携のおかげ。社長が以前から障害のある人たちに地域で働くトレーニングとしてお風呂の掃除を手伝ってもらっていたつながりがあるからこそなんです。社長はいつも、「地域の人に風呂屋として何ができるか」を考えている人。銭湯の仕事に、僕もワクワクしています。


●PROFILE●片岡 信さん

墨田区・御谷湯の「若旦那」と呼ばれる存在。結婚を機に妻の実家である老舗銭湯の経営に参画。バンド「片想い」でボーカルと三線を担当するミュージシャンの顔も。

 

御谷湯(みこくゆ)
  • <住所>東京都墨田区石原3-30-10(都営浅草線「本所吾妻橋駅」徒歩約12分)
  • <電話番号>03-3623-1695
  • <営業時間>15:30~26:00(最終入場25:30)
  • <定休日>月曜日(祝日の場合は火曜日休) ※設備メンテナンスによる臨時休業あり
  • <入浴料>大人(高校生以上) 460円/中学生 360円/小学生 180円/未就学児 80円
  • <ホームページ>http://mikokuyu.com/

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