連載コラム

2021/11/01

今日は誰目線?

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。


我が家の少し変わったルール

 耳が聞こえない両親との生活には、少し変わったルールがありました。例えば両親のどちらかに話しかけたい時は部屋の電気を付けたり消したりして知らせたり、近くにあるクッションやティッシュ、何もない時は履いているスリッパを近くに投げて気づいてもらいます。皆さんの家庭では考えにくいことかもしれませんが、CODAの家庭ではあるあるエピソードです。
 また、「トイレに行ってくる」「部屋でゲームをしてくる」など、その場を離れる際は細かく伝えることも我が家のルールです。万が一地震などが起こった際に声で居場所を特定することや、音を聞いてゲーム中であることを把握することができないからだと思います。
 このように皆さんが普段当たり前にしていることが、耳が聞こえない人にとってはそうではないことは他にもあります。例えば、同僚同士の「駅前に新しい居酒屋ができたらしいよ」というなにげない会話が聞こえないと、「あそこおいしかったですよ」や「今度行きませんか?」と別の会話やご飯に行くきっかけを作りづらかったりします。また、一緒にトイレに行く友人を見て、どこに行ったんだろう?と不安に思ってしまうこともあるかもしれません。ぜひ少し視点を変えて、「聞こえない人にも優しいルール」を見つけてみてください。

聞こえる祖母(左)と聞こえない母(右)に抱かれる私


●福島 直人
株式会社ミライロ ビジネスソリューション部 コネクトチーム/手話通訳士
 
耳の聞こえない両親を持つCODA(※)。手話通訳士兼、情報保障のコンサルタント。
※両親のひとり以上が聴覚障害を持つ健聴の子ども(Children of Deaf Adults)

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