連載コラム

2017/07/05

初めての電動車いす

初めての電動車いす

半年間の治療とリハビリを終え、退院後しばらく、生まれて初めて電動車いすに乗って生活をしました。
同じ車いすでも、手動と電動では世界が変わったように感じます。
道路交通法により時速6km以上は出せないため、急いでいても走ることはできません。
重さも100kgを超えるため、介助者に段差の上り下りをサポートしてもらうのも勝手が異なります。
さらに痛感したのは、突発的な対応がしづらいこと。細心の注意を払っていても、電動駆動である以上、即座に、そしてピタリと止まることができません。自分の身体の一部として乗りこなせるようになるまでは、修行が必要みたいです。

 

先日、スーパーで買い物をした時のことです。賑わっている店内で、数人の子どもたちが元気に動き回っていました。
子どもたちと陳列棚の間を縫うようにして店内を移動していると、前輪が棚に接触し、商品を床に散乱させてしまいました。
すると私の周りにいた子どもたちが商品を拾い、元の位置に戻してくれたのです。お礼を言うと「次はどこに行く?」と聞いてくれました。
結局、私が会計をするまで、3人の子どもが手伝ってくれました。温かい思いを持った子どもたちが未来を変えてくれること、社会を変えてくれることに、私は計り知れない期待と安心感を持ちました。

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