連載コラム
2022/12/28
今日は誰目線
国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。
我が家の災害時の避難対策
私の両親は耳が聞こえない、いわゆるCODAの家庭です。大阪府北部地震では、改めて災害時に必要な情報手段をしっかり話し合っておく必要があると感じました。両親は徒歩圏内に住んでいたため、すぐに安否確認を行い我が家に来てもらいました。しばらくは、停電が続き、両親は当然ラジオは使えず、スマホ操作もそこまで得意ではないので情報が取得しづらい状況でした。その後、万が一に備えて、連絡が取れなくなった際の集合場所を決めたり、災害時の行動について確認し合いました。
携帯が普及する以前は、聴覚障害者にとってFAXが主な連絡手段でした。ですが、停電となれば当然FAXは使用することができません。両親は大阪万博で携帯を初めて見て、便利すぎるとすごく感動したそうです。当時から約50年で携帯の普及と共に社会は日々便利になっていますが、災害時など携帯が使えない場面でどのように対応をするのかも重要です。
両親は、常に電池が切れないようにモバイル充電器を持ち歩いていますし、我が家では常日頃から連絡を早く見て返すように意識しています。皆様もライフラインがなくなったときに、障害に関係なく、家族と緊急時におけるコミュニケーションの取り方などを相談しておくと安心かと思います。
福島 直人
株式会社ミライロ ビジネスソリューション部 コネクトチーム チーム長 手話通訳士
耳の聞こえない両親を持つCODA※。手話通訳士兼、情報保障のコンサルタント。 ※両親のひとり以上が聴覚障害のある耳が聞こえる子ども(Children of Deaf Adultsの略)