連載コラム

2019/06/01

垣内俊哉「106cmの視点から」

もっと早くに出会っていたら

 30歳になりました。年齢を重ねるごとになんとなく離れてしまったものの一つが、ディズニー映画です。子どもの頃は夢中で見ていましたが、近頃はさっぱりでした。ところが、たまたま美容室で流れていた「ズートピア」に度肝を抜かれました。肉食と草食、大型と小型、昼行性と夜行性など、さまざまな特徴を持つ動物が暮らすズートピアでは、電車も、駅も、車も、街のすべてがユニバーサルデザインです。それぞれの動物が支え合う様子はユニバーサルマナーが体現されていて、それぞれの個性を活かして生きる姿はバリアバリューを体現していました。

 特に胸を打たれたのは「キツネが皆イジワルなわけではない、性格の悪いウサギもいる」という劇中台詞です。幼少期から私は、障害があることで、周りから無条件に「頑張っている」と過大に評価されていました。周囲からの視線や期待に悩み続けた私は、押し付けに反発するように、煙草を吸い、ピアスを開けていました。あの頃、この作品に出会えていれば、もっと早くに私は私らしくなれた気がします。私が描く理想の未来を、明るく、楽しく、魅せてくれた映画との出会いでした。


●PROFILE● 垣内 俊哉
1989年生まれ。岐阜県中津川市出身。2012年立命館大学経営学部卒業。在学中2010年に株式会社ミライロ設立。

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