連載コラム

2022/03/08

今日は誰目線?

国籍、年齢、身体特性などの多様性を力に、社会に新たな価値を創造する(株)ミライロのメンバーが、リレー形式で登場しそれぞれの視点で執筆します。

一人暮らしの車いすユーザーの工夫 

 私は6年前から一人暮らしをしていますが、そのことを伝えるとよく驚かれます。最初は「なんでそんなに?」と不思議だったのですが、全盲の方が一人暮らしをしていると初めて聞いた時、実は私も同じ反応をしていました。それは恐らくどのような生活をしているのかイメージしづらいからだと思いました。今回はちょっとした生活の工夫を紹介します。
 私の場合は1週間に2回ほど、ヘルパーさんに訪問していただいています。大きいシーツの洗濯や高い場所の掃除、物の出し入れなどをしてもらったりしますが、日常的なことは少し工夫をして一人でしています。例えば、部屋に備え付けられている物干しは高くて届かないため、大きいS字フックをつないでかけています。乾燥機能付のドラム式洗濯機の購入も検討しましたが、サイズが大きく車いすが通れなくなってしまうため断念しました。
 また、必需品のアイテムはマジックハンドです。洗濯機の中のものを取る時や、カーテンの開閉時などに使います。腹筋や手の筋力が弱い車いすユーザーは床の物を取る時に使うこともあるそうです。障害の有無に関係なく人それぞれに暮らしの工夫があると思います。私の生活の工夫が、例えば身長が低い方や子どもの役に立つこともあるかもしれません。

高くて届かない洗濯物干しには、
S字フックをつないでかける


●杉﨑 美奈

株式会社ミライロ ビジネスソリューション部 講師チーム

車いすユーザーの新卒社員。検定などの運営を担当しながら、講師としての活躍も目指す

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